軽やかにして良く撓る(しなる)リズム、
アメリカのダウンタウンの生き様が
飾り気なく歌いこまれた歌詞、
メロディがサウンドを引っ張り
じんわりと風景に色をつけるように
感情の高まりを後押しするコーラスが
胸をくすぐる。
ジムが奏でるテレキャスターの
抜けるようなトーン、
明るいポップロックと思っていた彼等の
ROCKは今、ほろ苦い。

SIOUXSIE AND THE BANSHEES
THROUGH THE LOOKING GLASS も俺に
失われていた何かを思い起こさせてくれた。
'87にリリースされた打ち込みビシバシの
カヴァーアルバム。
お客さんの試聴で耳にしたのだが
初期のサウンドとはかなり印象が違うものの
スージーの核はしっかりとある。
1.SPARKS
2.KRAFTWERK
3.DISNEY
4.THE BAND
5.BILLIE HOLIDAY
6.THE DOORS
7.IGGY POP
8.JOHN CALE
9.ROXY MUSIC
10.TELEVISION
素晴らしい選曲に加え
60S〜70SのROCKを経てPUNK NEW WAVEを通った
俺にはその音に染み渡った
スージーの心情が痛いほどに伝わった。
様々な退廃の音のかけらが拾い集められ
浮かび上がるメランコリックな風情は
映画のスクリーンのようである。
回顧的ではない
REALなROCKの手応えのようなものを感じる。
うちに来る多くのお客さんは
回顧的に音楽を探しに来る人が多いし
人生を半ば過ぎた多くの人にとっては
音楽はそうでもいいのかも知れない。
しかし自分にとってはそうではなく
自分の中で新しく鼓動し始めるROCKのうねりを
感じずにはいられなかった。
とりわけTHE DOORS〜IGGY POP〜JOHN CALEの流れは
自分のために用意されたかのよう。
たった今スージーの叫びは若いお客さんに伝わり
¥700で彼のものになった。


