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BOB DYLAN MARCH 23 2010 ZEPP TOKYO JAPAN

DYLAN

場内に
GOOD EVENING!
LADIES AND GENTLEMEN 、
WOULD YOU PLEASE WELLCOME
COLUMBIA RECORDING ARTIST 、
BOB DYLAN
のMCが響く

コンサートは乗りの良いシャッフルナンバーでスタートする。

十年ぶりに見る、いや聞くディランは、
驚くほど伸びやかな歌声で僕等を迎えてくれた。
実に元気で機嫌が良いじゃあないか?
そんな印象。

演奏が始まってすぐに目に付くのは、
伊達男、チャーリー・セクストンである。
デビュー時と変わらない細身の体型にスーツをまとい、
終始ステージの左右を動き回りながら、
ディランと、あるいは他のメンバーとの呼吸を
伺いながらプレイしている。
40を超え美顔はやや崩れもするが、
眼光鋭くバンド一切を取り仕切る彼からは、
ステージに愛嬌を振りまく仕草は微塵もない。
ディランは上手よりにハモンド・オルガンに向かいっている。
下手にはリズム・ギター、スパニッシュ系の風貌のベース
後方中央にドラム、上手側にはスティール・ギター、
ヴァイオリンを担当するメンバーが一人。
バックのメンバーは客席を意識することなく、
黙々とプレイに没頭している。

オリジナルに古いカヴァーが渾然となり、リズムが心地良く響く。
哀愁のメロディ『 SENOR 』異国の街の風景がじんわりと広がる。
個人的には笑ってしまうほど珍妙なリフが印象に残る『TANGLED UP IN BLUE 』 
ロックンロールのビートが弾ける『ROLLIN' &TUMBLIN'』

シンプルな舞台、バックのカーテンの前で
演奏に興ずるメンバーを照明が浮かび上がらせる、
曲ごとに照明を落とすくさい演出。
その絵面はさながらドサ回りの旅芸人といった風情。
セクストン以外全員がシックなハットを被っている。
ディランの企みであろうか?


相変わらずディランはオリジナルのメロディをなぞることはなく、
『LIKE A ROLLING STONE 』であろうと『BLOWIN' IN THE WIND 』であろうと
今の彼の心情に乗せたトーキング・スタイルで語られ、歌われる。
崩し過ぎて原型すら留めないものもあるが、容赦はない。
飽くまで今の心情で歌いハモンドを弾き、ハープを奏でる。


70年代のライヴの変遷を経て、80年代のディランは僕には陳腐なブルース・ロックに
成り下がったような印象を受けた。
作品や歌声にも90年を向かえた頃の彼はこれが限界かな?と思うこともあったが、
2枚のカヴァーアルバムをリリースした頃から新たな力が加わり始め、
それは『TIME OUT OF MIND』に結実する。
ディランのアメリカ探しの旅は次作『LOVE AND THEFT』で南部に奥深く入り込んでいく。

『HIGHWAY 61 REVISITED 』は素晴らしい仕上がりだ。
ディランのその日の歌に合わせ、
バンドが微妙に強弱を推し量る。
生々しく“今”を歌うことでその生を伝えようとする、
歌詞を重ねるごとに高揚感に溢れる演奏が観客を揺さぶる。
間奏でハモンドとギターがリフを掛け合う。
ディランは時におどけるように、
時に笑みをたたえ、ハモンドを叩き、そして歌う。

マイナー・バラード『 BALLAD OF A THIN MEN 』が胸にしみる。
彼の歌は字余りで乱暴だが今の心情に正直だ。
ディランの吹くハーモニカが実にいい。

数曲で立ち上がり、マイクに向かいハーモニカを持って歌う、
またギターを抱え、いつもの幼稚園児のような稚拙なギターソロも披露したが、
今回はそのほとんどをハモンドの前で過ごす。

中盤から後半へ
ヒット曲がズラリとラインナップされるがディランのペースは終始変わらない。
アップテンポのビートの効いたナンバー『 THUNDER ON THE MOUNTAIN 』では、
バンドの演奏に乗って軽快にハモンドを操る。


『 LIKE A ROLLIN' STONE 』
『 JOLENE 』
『 ALL ALONG THE WATCHTOWER 』
『BLOWIN' IN THE WIND 』

改めてライヴの演奏を今聞き直してみると
その説得力はレコード(CD)以上だ。

アンコールに応え全ての演奏を終えたメンバーは
客席に直立不動の姿勢で並び、
インチキ魔術師のようなディランのアクションで、
頭(こうべ)を垂れることなくステージの袖に消えた。
 
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